January 15 2014
水仙の花に埃や小正月
藤森成吉
そのことを知っている人は少ないと思われるが、元日から始まる正月が「大正月」と呼ばれる。それに対して、1月14〜16日は「小正月」と呼ばれるということ。私も「大正月」という呼び方は知らなかった。「大正月」の終わりの日が「小正月」になる。また「大正月」が「男正月」とも呼ばれるのに対し、「小正月」は「女(め)正月」とも呼ばれる。この呼び方は知っていた。現在ではどうなっているかわからないが、この日に女性だけで酒盛りをする地方もあったとか。私が子どものころ、この日ばかりは父が朝飯を炊いていたことを記憶している。「女は休んで、男が台所をする日」と教わった。へえ。働き者の母はちゃんとゆっくり休んでいたのだろうか? 「女正月」は年末年始に格別忙しかった女性を、慰労する意味があったものと思われる。毎日、きちんと水仙の面倒を見ていた女性が、この日ばかりは休んでいるから、水仙の花にうっすらと埃がついているというのだろう。どことなくのんびりした雰囲気が漂っていて、結構な風習じゃないか。左翼文学者だった成吉は短歌や詩も作ったが、俳句も多く句集が二冊ある。他の句に「犬さきにもどりて行くや出初式」がある。『文人俳句歳時記』(1969)所収。(八木忠栄)
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