January 05 2014
白山の初空にしてまさをなり
飴山 實
白山は、石川県白山市と岐阜県白川村の間に聳える霊峰です。古代より山岳信仰の対象として崇められ続け、白山神社は日本各地に2700社余り鎮座しています。信仰の有無にかかわらず、新春の朝、白山を仰げるのは喜ばしいことでしょう。その初空は真青です。白山が雪を冠して白いゆえに初空はいよいよ青く、初空が真青ゆえに白山はいよいよ白い。年初にふさわしい色彩の対置です。ニュートンの色彩論によると、青は広がりやすい波長を備えているので空や海は青く広がるらしいのですが、掲句の「まさを」というひらがなの語感にも、そのような青の広がりがふくまれているように感じられ、「白山」の凛とした輪郭と対照をなしています。掲句の要素を取り出してみると、「山・空・白・青」、そして、詠み手の主観である「初」です。何のドラマもありません。しかし、青空に聳える白山を眺めて、この一年が始動しています。作者は、「まさを」を半紙に「白山」と書き初めをしたのでしょう。『次の花』(1989)所収。(小笠原高志)
『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます
|