December 27 2013
冬ざるるリボンかければ贈り物
波多野爽波
冬になって、何もかも荒れ果てて寂しいさまになっていくことを、「冬ざるる」という。冬ざれの景色の中、ある何かを包装して、リボンをかければ、贈り物になったという。何にリボンをかけたかは分からない。この中七以降の部分に、省略が効いているのである。冬のものさびしい光景は、「リボン」の一語で、明かりが点ったように、ぱっと明るくなる。そして、下五「贈り物」で心あたたまる世界になる。季語「冬ざるる」は、決して、中七以降を説明しようとはしない。それどころか、中七以降の展開の予測を遮断するように、正反対のイメージをもたらしている。『骰子』(1986)所収。(中岡毅雄)
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