December 242013
東京が瞬いてゐるクリスマス
茅根知子
クリスマスイルミネーションの発祥は、森のなかで輝く星の美しさを木の枝にロウソクを点すことで再現しようとしたものだといわれる。日本では昭和6年「三越」の電飾がさきがけだという。現在では、人気スポットでは12月に入る前から光ファイバーやフルカラーLEDを駆使して、競い合うようにまたたいている。掲句は「東京が瞬く」と書かれたことで、東京自体があえかな光りをまとい息づいているように見えてくる。作者はクリスマスの喧噪からそっと離れ、スノーボールに閉じ込めたようなきらめく東京を、手のひらに収めるようにして飽かずに眺め続けるのだ。『眠るまで』(2004)所収。(土肥あき子)
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