都知事選。とにかく自民候補を落さねば、やりたい放題になるぞ。(哲




20131220句(前日までの二句を含む)

December 20122013

 天ぷらの海老の尾赤き冬の空

                           波多野爽波

ぷらの海老の尾が赤いというのは、普段、誰もが目にしている。常識である。しかし、その赤い海老の尾は、下五「冬の空」と配合されることによって、モノとしての不思議な実在感を感じさせるようになる。海老の天ぷらは、当然のことながら、家の中、あるいは食堂の中に置かれている光景であろう。それに対して、冬の空は、外の光景である。この配合には、大きな飛躍がある。それでいて、天ぷらの海老の赤い尾は、あたかも、それ自体を真っ青な冬空にかざしているかのように、視覚的に強い結びつきがある。これは、嘱目の句としては作りにくい。爽波俳句は、心象風景の印象をもたらすことが、しばしばあるが、これも、そうした一句であろう。『骰子』(1986)所収。(中岡毅雄)




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