プロ野球ドラフト会議。どこも即戦力ねらいになりそうだな。(哲




20131024句(前日までの二句を含む)

October 24102013

 中也忌の透明傘の中の空

                           斉田 仁

明のビニール傘の中から空を見ているのは自分だろうか。「の」の助詞のたたみかけで読み手を透明傘の中まで引っ張ってゆく。中原中也は丸い帽子を被った写真が有名で中也と言えば教科書にあったその写真が思い出される。透明傘は丸い帽子の形状と連想が結びつくし、透明傘を透かして見る空に中也の詩にある叙情性を思う。哀しみを宿す人の心に直に語りかけてくるような中也の詩。掲句から「生い立ちの歌」の一節を思った。「私の上に降る雪はあられのやうに降りました/私の上に降る雪は雹であるかと思われた/私の上に降る雪はひどい吹雪とみえました」きっと彼は触れると飛び上がるほど鋭敏な感受性を持っていたのだろう。ことに幼い息子を失った中也の嘆きは何にも癒されることがなかった。息子を亡くした翌年死去。忌日は十月二十二日、墓は故郷の山口市にある。『異熟』(2013)所収。(三宅やよい)




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