October 19 2013
打てばひゞくわれと思ふや秋の風
久保よりゑ
自らを、打てば響く、とはなかなか言えないだろう、自信家だったのかと最初は思った。事実、そういう側面も持っていた作者であるようだ。大正十四年、四十代初めの作だが『ホトトギス雑詠選集 秋の部』(1987・朝日文庫)の中でも『虚子編歳時記』の中でも、秋風の項にあって趣の異なる一句である。ただ、何度か読み返していると、打てば響く自分を打って欲しい、どうして打ってくれないのか、と言っているようにも思えてくる。はげしくあらく、身にしみてあはれをそふる、という秋風。その中に身を置きながら何を思っていたのだろう。(今井肖子)
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