October 11 2013
吊したる箒に秋の星ちかく
波多野爽波
爽波は時折、極めてリリカルな句を作る、どこか軒先にでも吊してある箒のすぐ間近に秋の星が輝いていたのだ。箒と秋の星の取り合わせ。この句は、位置的な関係を無視できない。箒が吊されていなかったら(たとえば、地面に置いてあったら)、秋の星間近に見えることもなかっただろう。新鮮なアングルである。「秋の星ちかく」の「ちかく」は星の大きさは言っていないが、私には、はっきりと見える大きな星であるように思える。『湯呑』(1981)所収。(中岡毅雄)
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