September 29 2013
ちちははが骨寄せあえる秋の暮
清水喜美子
お彼岸の句とも、納骨の句とも読めます。「骨寄せあえる」とあるので、作者は、先に眠る者の骨に寄せて、そっと、大事に納骨したのでしょう。あるいは、生前、仲睦まじいご両親だったのでしょう。父という肉体は埋葬されるとき「ちち」という骨となり、母という肉体も「はは」となる。「ちち」と「はは」が、お墓の中で「ちちはは」として構成されている。作者はそれに向けて線香をあげ合掌しています。墓は文字通り、土の中で死者が眠る所。おがみ終えると、墓にも卒塔婆にも樹木にも夕日がさして、影が長く伸びている墓地。生きているということは、秋の暮の夕日に染まること、また日が昇り、暮らしが始まるということ。死者は土に、生者は日の中に。『風音』(2009)所収。(小笠原高志)
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