August 31 2013
露の身を置く宮殿の鏡の間
大木さつき
露の身、露の世、露けし、など人生の儚さにたとえて詠まれることの多い、露。未だそういう露の句は自分ではできないのだが掲出句の、露の身、には実感があるように思えた。栄華の歴史を象徴する美しい宮殿の大広間、壁も天井も鏡が張り巡らされているのだろうか。そんな異国の色彩の中に、ぽつんと映る自分の姿がある。しばらくそこに立っているうちにふと浮かんだ、露の身、であったのだろう。ドイツの旅十句のうちの一句、他に〈古城はるか座せば花野に沈みけり〉〈身に入むやみづうみにある物語〉など。『遙かな日々』(2007)所収。(今井肖子)
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