甲子園大会がはじまった。終わるころには秋風が立つだろう。(哲




20130809句(前日までの二句を含む)

August 0982013

 金魚玉とり落しなば鋪道の花

                           波多野爽波

魚玉は、玉状に造られたガラス器に金魚を入れ、軒先などに吊して涼を楽しむもの。この句、金魚玉を実際に落としたわけではない。「とり落し」+「な」+「ば」であって、「な」は完了の助動詞の未然形。「もし、落としてしまったら」という順接の仮定条件である。光景としては、金魚玉を提げて、鋪道を歩いているのだろうか。その時、ふと、淡い強迫観念のような心情が過ぎったのである。もし、この金魚玉を落としてしまったら、割れてしまい、金魚は、鋪道の花のようになるであろうと。作者の美意識と繊細な感受性が表れた作品である。『鋪道の花』(1956)所収。(中岡毅雄)




『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます