July 30 2013
水を打つ曲りさうなるこゝろにも
笙鼓七波
広辞苑によると打ち水とは「ほこりをしずめたり、暑さをやわらげたりするため、道や庭先などに水を撒くこと」とある。夏休みの夕方、水を打つ音が聞こえると、ふわっと空気がゆるみ、土や草木が香り立つ。夕立の匂いとも違う、やわらかい水の匂いを覚えている。打ち水には少々のこつがあり、ひとところに水が溜まるようではいけない。平らに平らに水を広げるようにして撒く。きらきらと太陽の光を弾きながら、放物線を描く水には見とれるような美しさがある。作者は打ち水によって生き返る庭や草花をみながら、わが身にも一滴の打ち水を与えて、心をしゃんと立て直したのだ。いっせいに打ち水をすれば、気化熱によって真夏の気温を2度下げられるという。7/23から8/23まで打ち水強化月間だそうなので、いざと腰をあげてみれば、東京の暮らしではまず柄杓がないことに気がついた。『花信風』(2013)所収。(土肥あき子)
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