オールスターのファン投票のほうが、まだ味がありますね。(哲




20130719句(前日までの二句を含む)

July 1972013

 木五倍子折るために掴まる木を探す

                           青柳志解樹

人の平均年齢が高いと必然的に俳句は老いを詠むことになる。別に老いを詠まねばならないということはないが、自分に正直な詠み方であればそうなる。老人が老いを詠まないという選択肢があるとして、では何を詠むか。老人がモダンを詠むと往々にして古いモダンになる。かつての前衛ふうやかつてのモダンふうを詠むのは読者から見ると痛々しいことになる。「新しい歌を歌います」と宣言してピンクレディを歌うようなものだ。では、老人は普遍的なものを希求して詠むか。そうするとお決まりの「花鳥諷詠」が待ち受けている。「岸壁の母」の方がまだましとはとても言えない。では老人は生きてきた経験と信念を披瀝することにして後進のために社会正義や倫理を詠うか。これは最悪で説教爺になる。どっちに行ってもあんまり良いことはなさそうだ。だから老人は自分の老いを正直に詠むのがいい。木五倍子(きぶし)を折るために掴まる木を探すのは自分に正直な述懐だ。なんで木五倍子を折るの?と問われれば、いいじゃないか、そのくらい。余計なお世話だ!と怒ってみせるしかない。『里山』(2013)所載。(今井 聖)




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