June 27 2013
太る妻よ派手な夏着は捨てちまへ
ねじめ正也
おばさんを漫画に描くときにはむっちりした二の腕とたっぷりした贅肉をつけた体型で口のあたりにくっきりとした法令線を入れればそれらしくなる。パターンの描き方だが自分がその年齢になってみると何を食べてもすぐ太ってしまうのに閉口している。掲句の妻も中年過ぎてムクムク太ってきて若い頃似合っていた派手な色柄の夏着が似合わなくなったのだろう。花模様や大柄な模様は身体の肉付きをことさらたっぷり見せてしまうから厄介だ。この頃は昔ほど服装に年代層の差はなくなってきたように思うが、若い頃買ったものは型も古びており、何よりその服を着ていた若い頃の顔や体型との落差がありすぎて哀しい。端からその様子を見ている夫が「捨てちまへ」とかける言葉は妻に対する愛情なのだ。『蠅取リボン』(1991)所収。(三宅やよい)
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