June 18 2013
草刈女草に沈んでゐたりけり
平沢陽子
梅雨の晴れ間にやらなければならないことのひとつに庭の草むしりがある。雑草を根こそぎ抜くには、やわらかく雨を吸った土は絶好のコンディションである。草むしりの極意は、雑草の名を知ることだという。名を知れば、特性が分かりそれぞれの対処が可能になる。それにしても、行うまではあれほど億劫なのに、いざ始めると時間を忘れてしまうほど没頭してしまう不思議な作業である。茎から根をまさぐり、ずるずると引き上げる。草を排除しているというより、草や土とひとつながりになっているような感覚も、出来高が目に見える達成感も得難い。掲句の一心に作業する草刈女が刈り取った草のなかにうずくまる様子もまた、青々とした草いきれに包まれ、まるで草のなかから生まれたように見えてくるのではないか。『花いばら』(2013)所収。(土肥あき子)
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