巡りくる6・15。「忘れまい」という誓いをよそに風化する歴史。(哲




2013015句(前日までの二句を含む)

June 1562013

 一人づつ菖蒲の中を歩きけり

                           長谷川かな女

週末、見頃を迎えつつある明治神宮御苑の菖蒲田へ。緑の中の小径を行くと、梅雨晴の底に水を湛えた菖蒲田が広がり、しっとりとした紫の風が渡ってゆく。休日ということもあり賑わっていたがそう言われてみれば、連れ立ちながらも一人ずつ静かに菖蒲田を巡り、立ち止まっては「都の巽」「十二単」などの名札と花を見比べながら、〈紫の菖蒲に妻と入れ替る〉(古舘曹人)。深い大和紫や光を集める白、すっと立つその茎の先にやわらかくほぐれる花弁、かすかな水音。それらを言葉にすることなく、対峙すると背筋が伸びるような花菖蒲の美しさが見える一句となっている。『花の大歳時記』(1990・角川書店)所載。(今井肖子)




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