立夏。みなさーん、今日から夏ですよー。と言われてもねえ。(哲




20130505句(前日までの二句を含む)

May 0552013

 傾城の朝風呂匂ふ菖蒲かな

                           炭 太祇

月五日の今日は立夏。端午の節句に菖蒲(しょうぶ)の葉を入れて浴する風習は、今も続いています。邪気を払い、心身を清める菖蒲湯は室町時代からあるようで、江戸時代には俳句にも詠まれています。作者・炭太祇(たんたいぎ)は、京都島原の遊郭内に不夜庵を結び、蕪村と交わり多くの佳吟を残しています。掲句の「傾城」(けいせい)は、遊郭のこと。ここへの出入りが頻繁になりすぎると城が傾くといういわれから、遊郭の別称となりました。廓(くるわ)は字のごとく城郭のように四方を囲まれた幕府公認の遊里。江戸時代は諸大名臣下の単身赴任も多く、また、政治的な暴徒を一挙に取り締まれる治安の意味もありました。そんな、お上の意図なんぞにはお構いなしの掲句の風情は呑気です。菖蒲の香る朝風呂に入っているのは、夜通し和歌、俳諧、歌舞、音曲、色道に遊び通した粋人、お大尽でしょう。同時に、そんな極楽とんぼにあやうさをもかぎとって傾城となるのでしょう。以下蛇足。平安時代の旧暦五月は田植えの時期なので、田に生命を宿すために、宮中では情交を控えていました。ただし、五月五日だけは 例外で、女たちが積極的に男を招待し、人形などを飾ってもてなす風習があったことを「源氏物語」では伝えています。げんざい、それは五月人形にかたちを変えて伝わっていますが、武蔵府中の「くらやみ祭」など、各地で五月五日に行われる例大祭にもそんな艶やかな名残があるのかもしれません。「日本大歳時記・夏」(1982・講談社)所載。(小笠原高志)




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