「みどりの日」が本日から来月四日に追われたのはいつだったか。(哲




20130429句(前日までの二句を含む)

April 2942013

 かく甘き玉子焼なれ若楓

                           対中いずみ

葉若葉の季節になってきた。どの木々のみどりも美しいが、楓(かえで)のそれは抜きんでている。ハイキングでの昼食の時間だろうか。玉子焼きは弁当のおかずの定番といってよいだろうが、作者はこのときの甘い味に大いに満足して、玉子焼きはいつもこのような甘さであるべきだと悦に入っている。若い楓の葉が発する清らかな風のなか、さぞかしおいしかったろうなと、生つばが出てきそうな句だ。食べ物の句は、すべからくこのようにあるべきだ。またぞろ貧乏話で恐縮だが、子供の頃、我が家では鶏を飼っていたけれど、卵はめったに口に入らなかった。現金収入を得るための大事な商品だったからだ。何かの拍子に傷ついたり割れたりしてしまい、売り物にならなくなった卵一個を弟と分けあったことを思い出す。生卵をきちんと半分ずつに分けるだなんて、至難の業である。当然、喧嘩になった。食べ物を争う喧嘩ほど悲しいものはない。このような句が現れてくるなど、想像もつかなかった時代もあったということである。『巣箱』(2012)所収。(清水哲男)




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