March 05 2013
しやぼん玉兄弟髪の色違ふ
西村和子
娘は父親に似て、息子は母親に似るものだとよく言うが、自分と弟を引き比べてみても、確かにその通りだと思う。同性の兄弟、姉妹の場合も、大小の違いだけではなく、どちらかが父親と母親の面差しの影響を大きく受けているようだ。掲句では、きらきら輝くしゃぼん玉を見つめることによって、光のなかの兄弟の違いを際立たせる。小さな兄弟が異なる人格を持っていることは当然でありながら、作者はどこか不思議な気持ちで眺めている。そして、髪の色の差は、父と母という存在を見え隠れさせ、健やかにつながっていく世代のたくましさも感じさせているのだ。ところで髪といえば、『メアリー・ポピンズ』のなかで、髪をストレートにするか、カールにするか、赤ん坊のとき春風に頼むのだという話しがあり、「ああ、自分は頼み忘れたに違いない」とがっかりした覚えがある。今でも、毛先がくるっと巻いた小さい子を見ると「この子はちゃんと頼んだのね」と思うほどだ。『季題別 西村和子句集』(2012)所収。(土肥あき子)
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