真冬の寒さになりましたね。まだ暖房は早いしなあ。(哲




20121120句(前日までの二句を含む)

November 20112012

 二の酉を紅絹一枚や蛇をんな

                           太田うさぎ

日は二の酉。一年の無事に感謝し、来る年の幸を願うという。関東は酉の市のおとりさま、関西はえびす講のおいべっさんが馴染みだが、どちらも年末に向かっていることを実感するにぎやかな行事である。祭りや縁日を巡業する見世物小屋は、全盛期には全国で300軒にものぼったというが、現在は1軒のみという。仮設の小屋での摩訶不思議な世界は、テレビなどが普及する以前の大衆娯楽として幅広く受け入れられていた。以前、鬼子母神にも見世物小屋が掛かったことがある。小心者のわたしは結局入れなかったが、流れてくる口上と顔見せでじゅうぶん足がすくんだ。紅絹の長襦袢でしなしなと揺れるその人を「好きで食べるのか、病で食べるのか、人として人と交わることができないのか」と紹介する。蛇女は決して声を出さない。それは生身の人間であることを拒絶しているように。「雷魚」(2012年4月・90号)所載。(土肥あき子)




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