November 15 2012
茶の花やぱたりと暮るる小学校
喜田進次
茶の花は小さな白い花。歳時記によると新たに出来る梢の葉の脇に二つ、三つ咲き出るようだ。「茶の花のとぼしきままに愛でにけり」という松本たかしの句にあるように、生い茂った緑にぽつりぽつりと顔を見せる奥ゆかしさと馥郁とした匂いを好む俳人は多い。今まで歓声をあげて駆け回っていた子どもたちも下校してすっかり静かになった小学校がとっぷり暮れてゆく。「ぱたりと」という表現が突然途絶える賑わいと日の暮れようの両方にかかっている。秋の日は釣瓶落としというけど昼ごろの学校の賑わいと対照的なだけによけい寂しく感じられるのだろう。茶の花の持つ静かで侘びしいたたずまいが小学校の取り合わせによく効いている。『進次』(2012)所収。(三宅やよい)
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