October 28 2012
をりとりてはらりとおもきすすきかな
飯田蛇笏
すすき一本を活け花のように立てた句です。句には表現されていませんが、すすきをささえる指のはたらきが繊細です。満月に供えるためでしょうか。野に出てすすきを折り、手に取って、親指・人差し指・中指でもつと、その穂は、はらりとしだれ、三本の指に重さがかかります。句では、二つの動詞と副詞・形容詞がすすきにかかっていますが、そのすすき一本を、三本の指でささえています。「はらり」が軽さを形容するので、「おもき」はじかに伝わります。なお、表記をすべてひらがなにしているのは、韻律を気づかせたい意図もはたらいているからでしょう。「をriとriてはらriとおもkiすすkiかな」。「i」が脚韻として音の筋を通すことですすき一本が立ち、はらりとおもき手ごたえも伝わります。「現代俳句歳時記・秋」(1999・現代俳句協会編)所載。(小笠原高志)
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