迷った末、Kindleは止めてiPad miniを予約。これで外出時が楽に。(哲




20121027句(前日までの二句を含む)

October 27102012

 厠なる客のしはぶき十三夜

                           大橋櫻坡子

(しわぶき)と十三夜、いかにも晩秋を感じさせる。ただでさえ十三夜は、やや欠けていることのもの寂しさと、晩秋の夜の静けさと、多くの情感を合わせ持っている言葉である。そこにしわぶく音が弱々しく聞こえる、というのはあまりに情に流れるのでは、というところを、厠なる客、の具体性がうまくバランスを与えている。厠、という古来の言葉が、歩くと軋みもする日本家屋を思わせ、少し離れたところから聞こえる月の友の咳が、いよいよ澄み渡る夜の大気を感じさせる。今年の名月は、雲の切れ間に垣間見えたり、深夜から明け方ふと気づいたら見えていたり、待ちかまえているところに上ってくるのとはまた違った趣があった。万全でないこともまた好もしい、十三夜を愛でる心持ちもそれと似ているかもしれない。『大橋櫻坡子集』(1994)所収。(今井肖子)




『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます