September 28 2012
ローマ軍近付くごとし星月夜
和田悟朗
面白い比喩だなあ。そういう予感があって星空を見上げたというドラマの設定ではなくて星空そのものをローマ軍に喩えた句だ。この句の面白さはなぜ「ローマ軍」なのかの一点。星の数から連想される大軍のイメージ。ならば家康軍でも蒙古軍でも米軍でもソ連軍でもいいのだけれど作者にとってはローマ軍なのだ。歴史ドラマではローマ軍は悪役になることが多い。でもこの句には悪役が近づいてくる危機感なんかない。ギリシャ軍だと悲劇は演出できるけど星の数ほどの大軍のイメージはないし。そんな入れ替えが楽しめる句だ。『季語きらり100』(2012)所収。(今井 聖)
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