急に涼しくなったので、これまた身体がついていけない。やれやれ。(哲




20120926句(前日までの二句を含む)

September 2692012

 まず足の指より洗ふ長き夜

                           冨士眞奈美

浴して、人はからだのどの部分から順に洗うだろうか? もちろん人によってちがう。初めに「足の指より洗ふ」人はいつもそうなのか、あるいは秋の「長き夜」ゆえにたまたま順序を変えて、今夜はゆっくりと足の指から時間をかけて洗いましょう、というのかもしれない。「長き夜」と「足の指」が不思議とマッチしていることも見逃せない。せせこましくない、ゆったりとした秋の夜の時間がここには流れている。足の指はスマートで、きれいにそろっているような印象を受ける。私は数年前、ある女子短大生たちにアンケートの一つとして「入浴時、からだのどこから先に洗うか?」と問うてみたことがある。「髪から先に」という回答がいちばん多いので、ナルホドと納得したことがあった。眞奈美が七〇年代から現在までいくつかの句会に参加して、本格的に俳句と取り組んでいることはよく知られている。句集の読みごたえある「あとがき」に「句友とは言葉を仲立ちに感性を同じゅうしてあそぶ特別な仲間」と書き、虚実をとりまぜて楽しんでおられる様子である。別の句「逃水の向かふは絶壁かもしれず」などにも私は惹かれる。『瀧の裏』(2008)所収。(八木忠栄)




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