August 30 2012
夏の川ゴールデンタイムちらちらす
こしのゆみこ
夏は追憶の季節でもある。子供のころ当たり前のようにめぐってきた夏休みは退屈であきれるほど時間があった。だからと言って朝から晩までテレビを見たわけではない。あの頃のテレビは劇場の緞帳に似た覆いがかかっていて、好き勝手につけていいものではなかった。子供にチャンネル権はなく、家族がテレビの前に集まって見るゴールデンタイムの番組は夜の楽しいひとときだった。それも今は昔。朝から晩まで番組を流し続けるテレビに高揚感はなくなり、「ゴールデンタイム」はある世代の記憶の中にある時間帯になってしまった。掲句は夏の日を受けてちらちら光る川面を見ているうち「ゴールデンタイム」へ連想が及んだのか。白っぽく光る真空管テレビで見た「ディズニーランド」「鉄腕アトム」「宇宙家族ロビンソン」など子供心を浮き立たせた番組を懐かしく思い出す。あと一日で子供たちにとって至福のときである夏休みも終わってしまう。『コイツァンの猫』(2009)所収。(三宅やよい)
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