August 25 2012
蜩やどこにも行けぬ観覧車
輿梠 隆
一周して戻ってくるだけの乗り物、観覧車。同じ一周でも縦に回ると、空に近づいて戻って来る分、結局どこにも行けない、という気分になるのだろうか。ただ、蜩のかなかなかなという音色は、観覧車にまとわりつく感傷よりくっきりとして、淋しい。そう思うと、ただそこで回るばかりの観覧車自身がどこにも行けないなのか、という気がしてくる。先日横浜で水上バスから見た、意外にうすっぺらいその横顔?を思い出しながら、今日もあちこちでただただゆっくり動いている大小さまざまな観覧車を思い浮かべている。『背番号』(2011)所収。(今井肖子)
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