秋の虫が鳴きはじめました。日の光りも秋めいてきましたね。(哲




20120821句(前日までの二句を含む)

August 2182012

 右左左右右秋の鳩

                           神野紗希

左左右右、さてなんでしょう。最初足取りを描いたが、それではまるで千鳥足。はたしてこれは首の動きなのだと思い至り、大いに合点した。頭部を小刻みにきょときょとさせる鳩の特徴的な様子を描いているのだ。平和の象徴と呼ばれ、公園などで餌をやる人がいる一方、のべつ動かす首が苦手だという人も多い。なかには他の鳥は許せるが、鳩だけは許せない、羽の色彩や鳴き声まで腹立たしいという強烈なむきもあるが、嫌悪の理由はおしなべて勝手なものである。鳩嫌いの女の子の四コマ漫画『はとがいる』でも、恐怖や目障りな存在をハト的なものとして描いて好評だが、ここにもこの鳥が持つ平和や幸福と相反するイメージへの共感がある。掲句を見て、秋の爽やかさと取るか、残暑の暑苦しさと取るかで、鳩好き、鳩嫌いに分けることができるだろう。ともあれ右と左、これだけで鳩の姿を眼前に映し出すのだから俳句は面白い。実際に爽やかを感じるまで、秋の助走はまだまだ長い。『光まみれの蜂』(2012)所収。(土肥あき子)




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