ケータイがなくても生活には困らないがTVドラマは大いに困る。(哲




20120715句(前日までの二句を含む)

July 1572012

 雨つぶの雲より落つる燕子花

                           飴山 實

雨時の草花は、生き生きしています。水をたっぷり吸って、葉も花びらも雨に洗われて新鮮です。傘をさして歩くことが多くなるのでうつむきがちになりますが、燕子花(かきつばた)のような青紫色の花に出会うと、この季節にふさわしい色彩であると思い至ります。紫陽花もそうですが、青空が少ないこの季節には、青紫を希求する心情があるように思われます。梅雨時には青紫が似合います。「雨つぶの雲より落つる」は、雨つぶを単数ととらえるか、複数ととらえるかで趣きが変わります。複数ととらえると、雲にも雨の降る範囲にも広がりが出て、燕子花の数もにぎやかになります。しかし、ここは利休が朝顔一輪で秀吉を招いたわび茶にならって、雨は一粒、燕子花 は一輪と とらえます。すると、雨つぶの一滴が雲から垂れ落ちるその一瞬を、じっくり時間をかけて夢想することができます。その一粒が、青紫の花一輪にとどいています。「日本大歳時記・夏」(1982・講談社)所載。(小笠原高志)




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