May 17 2012
終りから始まる話青葉木莵
朝吹英和
書き出しから、終わっている話ってあるなぁ、とこの句を読んでそんな小説の書きだしを思い出してみた。結末は予想されないけど、何かしらことが終わった回想で筋を追う形式のものか、コロンボや古畑任三郎のように犯人も結末も提示した中で話が始める推理物か。ともかくも、後ろから読み手が展開を追う話だろう。暗闇でずっと目を開けて、鋭い爪で獲物をとらえるふくろうは知の神とされていて、ギリシャの女神アテナイの使いでもある。何もかも知っている青葉木莵の低い鳴き声で神秘的なドラマが展開される。「夏燕王妃の胸を掠めけり」「降り注ぐラヴェルの和音新樹光」など古典や音楽から題材をとった句が多いこの句集全体の語り手も青葉木莵なのかもしれない。『光の槍』(2006)所収。(三宅やよい)
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