大型連休も今日でおしまい。天気の良くないGWでしたね。(哲




20120506句(前日までの二句を含む)

May 0652012

 石の数が川音となり夏来る

                           大谷碧雲居

休中に川遊びをされた方も多いでしょう。掲句から、たとえば、河原で石を見るでもなくのんびり過ごしていると、川の音が夏を連れてきているようなすがすがしさを感じられます。句は、「石の数が」と字余りで始まっています。これは、数えるに余るほどの無数の石の数を表していて、中下流域の広い河原の光景でしょう。水の流れが無数の石と衝突して川音となるという句意は、説明的でもあり、即物的でもあります。また、句の中から生物を除外して、石と水という無機物の物理現象から「夏来る」を抽出する造作は、竜安寺の石庭に通じる冷徹さがあります。生命や地名といった有機的な要素を取り除き、石に水がぶつかる川音から「夏来る」と言い切る一句は、即物的であるからこそ普遍的で、どこの河原でも、どんな人でも、河原で過ごしたときにふと気づける夏の到来です。『日本大歳時記・夏』(1982・講談社)所載。(小笠原高志)




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