May 04 2012
骨切る日青の進行木々に満ち
加藤楸邨
前書きに「七月一日、第一回手術」1961年に楸邨は二度手術を受けている。結核治療のための胸郭整形手術。当時は胸を開いて肋骨を外したのだった。「青の進行木々に満ち」と手術への覚悟を生命賛歌に転ずるところがいかにも楸邨。悲しいときや苦しいときこそそこに前向きのエネルギーを見出していく態度が楸邨流。文理大の恩師能勢朝次の死去に際しては「尾へ抜けて寒鯉の身をはしる力」と詠み、妻知世子の死去の折には「霜柱どの一本も目覚めをり」と詠んだ。俳句の本質のひとつに「挨拶」があるとするなら、身辺の悲嘆を生へのエネルギーに転化していくことこそ「生」への挨拶ではないか。『まぼろしの鹿』所収。(1967)所収。(今井 聖)
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