午後は神楽坂にて「余白句会100回記念」公開句会です。(哲




20120421句(前日までの二句を含む)

April 2142012

 散ることは消えてゆくこと山桜

                           山本素竹

京の桜は花吹雪から花屑となり彷徨っているが、若葉に目を奪われているうちにいつのまにかなくなる。いくらかは土に還るだろうが、ほとんどはゴミと一緒に燃えたり下水に流れ込んだりしてしまうのだろう。でも山桜は、花時が終わればその淡々とした華やぎをあっさりと消す。消えることは儚くもあるが、そこには山の土となりやがて花となって蘇る明るさもある。今年、満開の桜に包まれた山、というものを生まれて初めて見て、そんな感を強くした。一本ずつ違う花の色は、草木のみどりの濃淡と重なり合い溶けあって、花の山となり谷となって続いていた。夜明け前は薄墨色に眠り、日が差せば明るくふくらむ山桜。短い旅から戻り、茶色くなりかけた花屑が残っているアスファルトの道を歩きながら、山桜に惹かれるのは生きている山にあるからなのだとあらためて実感している。『百句』(2002)所収。(今井肖子)




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