週末に花見会。幹事の満開予想がぴしゃりと当たったようだ。(哲




20120402句(前日までの二句を含む)

April 0242012

 蒲公英のかたさや海の日も一輪

                           中村草田男

分の日を過ぎても、今年は寒い日がつづいた。この句は、そんな春は名のみの海岸での感懐だろう。暖かい陽射しのなかで咲く蒲公英(たんぽぽ)ならば、気分を高揚させてくれる感じがあるが、句のそれは曇天に「かたく」咲いているので、逆に気持ちも寒々しくなってしまう。そして沖に目をやれば、これまた雲を透かせてぼおっと太陽がにじんでいるのである。眼前の蒲公英が一輪しか咲いていないことを、「海の日も一輪」と暗示したことにより、句はスケールの大きいものとなり、しかも日常的なこまやかな感情もこぼすことなく同時にとらえていて見事だ。昔この句を読んだときに、イギリスの画家ターナーの霧にかすむ陰鬱な日の光りを連想したことがある。草田男には向日的な句が多いけれど、こうしたいわばターナー的な抒情句にも、天性としか言いようのない閃きを示したのだった。『火の島』(1941)所収。(清水哲男)




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