February 18 2012
小さくて大きなバレンタインチョコ
山本素竹
チョコレートで埋め尽くされていたデパ地下も、やっと平常の落ち着きを取り戻してやれやれ、といったところ。作者は筆者とほぼ同世代なので、現在のバレンタインデー事情とはだいぶ異なっていたのだろうと分かる。義理チョコ、友チョコ、自分チョコ、など少なくとも私の記憶にはない。好きな人にひとつだけ買って渡した覚えはあり、友人が学校では恥ずかしくて渡せず、それでも今日中に渡したいからつき合って、と言われて住所片手にうろうろ家を探した思い出も。携帯電話の無かった昭和四十年代の話だ。そんなあれこれをひょいと思い出させてくれたこの句、単純な言葉の対比が心の中で大きくふくらんで、ほのぼのしつつ、俳句ならではの表現と思う。『百句』(2002)所収。(今井肖子)
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