January 28 2012
いつさいの音のはてなり雪ふるおと
奥坂まや
今週月曜日の夜九時過ぎ位か、障子を開けると雪になっていた。雪の予報は出ていたのでやっぱりと思ったが、それにしても久しぶりに見る霏霏と降る雪だった。また大げさなと、忠栄様の母上に叱られそうだが、つぎつぎに落ちる雪に、つい口を開けて見とれてしまった。雨音が聞こえなくなると雪になっている、というのがふつうだけれど、降る雪を見ているといつも、雪を聞いている、という気分になる。その、おと、は確かに、耳に届く音ではなく、全身で感じる静かで賑やかな気配のようなものなのかもしれない。その夜の雪はすぐにまばらになり、それでも我が家のベランダには数センチ積もった。そして静かに眠ったまま、朝日に光りながら消えてしまった。『妣の国』(2011)所収。(今井肖子)
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