January 04 2012
らちもなき御用始めの訓辞かな
内藤さち子
官公庁や民間企業の多くは、きょう4日が御用始めである。つい先日、あわただしく御用納めをしてゆっくり新年を迎えたと思ったら、アッという間の御用始め。「良いお年を」という挨拶が、掌を返したように「本年もよろしく」に転換する。否も応もない一年の仕事のスタートである。身を引き締めて社長や上司の訓辞を聞く。いつの時代、どこでも、およそ訓辞というものには「厳しい」という言葉がつらなる。さしずめ今年の訓辞(あるいは年頭の挨拶)は、東日本大震災のことを避けることはできまい。大震災をここで、「らちもなき」と決めつけるわけではないけれど、およそ「御用始めの訓辞」といったものは、形式ばった「らちもなき」内容だったりする。いや、むしろ「らちもなき」訓辞がならべられている時のほうが、むしろ泰平の世のなかなのだ、と言えるかも知れない。そのへんに思わぬ落し穴があったりする。実際の仕事は明日からで、この日は訓辞を受けたり、挨拶回りをしたりで、中途半端な一杯機嫌のうちに一日が終わる、というのが元サラリーマンだった小生の正直な思い出。年々歳々、仕事が始まったら松の内もお正月気分もへったくれもない。ちょうど一年前の4日に、小生は親しかった知人の葬儀に参列して、2011年が始まったのだった。平井照敏編『新歳時記』新年(1996)所収。(八木忠栄)
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