December 05 2011
すぐ驚く老人が好き冬青空
大部哲也
気持ちの良い句である。意表を突かれた。言われてみれば、なるほどと納得できる。こういう価値基準と言おうか、人の見方もあったのだ。むろん「すぐに驚く」とは一種の比喩でもあって、その他何事につけても反応がビビットであるという意味あいが込められている。見回してみると、数は少ないが、こういう老人はたしかに存在する。いつまでも子供のような好奇心を持ちつづけているからだろうが、好奇心の持続には、何か特別な秘訣でもあるのだろうか。私などはめったに驚かなくなってきているから、句の老人にちょっとジェラシーを感じてしまった。そして「冬青空」との取り合わせには、けれん味が無くて主題にふさわしい季語だと、好感が持てる。読者から言えば、こういう発想が素直に出てくる作者をもまた「好きだなあ」ということになりそうだ。『遠雷』(2011)所収。(清水哲男)
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