極月ですね。だんだん慌ただしくなりますが、風邪を引かないよう。(哲




20111201句(前日までの二句を含む)

December 01122011

 冬を明るく弁当の蓋開けて

                           興梠 隆

弁でも家で作ってもらったお弁当でも、何が入っているんだろう、期待を持って蓋を開ける瞬間は楽しい。私事になるが、むかし家の事情で、おそまつな弁当しか持っていけない時期があり、友達の前で弁当の蓋をとるのが嫌だった。友人たちは母親の心づくしの彩り鮮やかなおかずに加え小さなタッパ―に食後のフル―ツまで持参しているのに、私のお弁当ときたら目刺だの煮しめた大根だの佃煮だの、やたら茶色っぽいものだったから。と、言ってもそんな弁当格差は人と比べるから出てくるわけで、地味なお弁当であってもお昼休みに「さぁ、食べよう」と、蓋を開ける心のはずみは失われることはない。掲句では弁当を開けるささやかな行為と喜びが「冬を明るく」と空間的広がりに結び付いてゆくのが素晴らしい。倒置の効果が十分に生かされた一句である。『背番号』(2011)所収。(三宅やよい)




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