November 20 2011
弱き身の冬服の肩とがりたる
星野立子
なんとなく読み過ごしてしまいそうになりますが、本日の句に学ぶことは多いと思います。まず、人を見る目のあたたかさと柔らかさに驚いてしまいます。読めば読むほど、恐ろしいほどに眼差しの深さを感じるのです。「弱き身」とは、ことさら身体の弱い人のことを指しているのではないのでしょう。だれでもがその根っこのところでは、びくびくと生きているのです。その弱い精神を包み込むようにして着た服は、鎧のように肩がとがっているのかもしれません。すぐれた句を詠む、というよりも、すぐれた眼差しを持つことが、まずは目指されなければならないことなのだと、教えてくれているようです。『日本大歳時記 冬』(1971・講談社) 所載。(松下育男)
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