November 03 2011
助手席の犬が舌出す文化の日
大木あまり
信号待ちをしている車の窓から顔を出している犬と眼が合う。小さな室内犬は飼い主の膝に抱かれてきょろきょろしているが、大型犬などはわがもの顔で助手席にすわり、真面目な顔で外を眺めている。流れゆく景色を眺めながら犬は何を思っているのだろう。車の中が暑いのか、楽しいものを見つけたのか、犬が舌を出してハ―ハ―している。しかし下五に「文化の日」と続くと、批評性が加わり「文化だって、へー、ちゃんちゃらおかしいや」と犬がべろり舌を出して笑っているように思える。しかし助手席に座る犬を「お犬さま」に仕立てているのは人間達の一方的な可愛がりの結果。犬が欲求したわけでもない。ホントのところ犬は人間並みの扱いに閉口しているかもしれない。と、ソファに眠る我が犬を眺める文化の日である『星涼』(2010)所収。(三宅やよい)
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