September 27 2011
小鳥来る三億年の地層かな
山口優夢
第6回俳句甲子園大会最優秀句となった作品である。三億年前とはペルム紀という年代にあたる。ペルム紀は地球史上最大の大量絶滅で時代を終えた。それは連続した火山噴火の大量の粉塵によって太陽光が遮られたことによると考えられているが、これが9割の海洋種と7割の地上動物が死に絶えさせた。その後一億年の時間をかけ、生命は辛抱強く進化をとげ、ふたたび命あふれるジュラ紀、白亜紀を経て、現在の地表まで続いている。小鳥たちが翼を持ち、子育てのために移動をする手段を覚えたことも、悠久の歴史のなかで繰り返し淘汰され選択された結果である。掲句は渡ってきた小鳥たちを見上げ、踏みしめている土の深部に思いを馳せる作者が、地表から小鳥たちまでの空間を結びつける。地層を重ねる地球の上に立っている事実は、どこか地球のなりたちに加わっているような、むずむずとくすぐったい、雄大な心地となるのである。〈あぢさゐはすべて残像ではないか〉〈鳥あふぐごとナイターの観衆は〉『残像』(2011)所収。(土肥あき子)
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