August 18 2011
へちまぞなもし夜濯の頭に触れて
西野文代
緑のカーテンと称して、陽のあたるベランダにゴーヤの葉を茂らせる今年の流行にのって、うちも育ててみた。どうにかいくつかぶらぶらと実を結び、毎日大きくなるのを楽しみにしていた。日除けと言えば糸瓜の棚もその一種だろう。「糸瓜」と聞けば子規を連想するが、「へちまぞなもし」は松山言葉。夜濯のものを干した頭に棚の糸瓜がごつんとあたる。「あいた」と言う代わりにこんなユーモラスな言葉が口をついて出てくれば上等だ。へちまがぼそっと呟いていると考えても面白い。野菜や果物を毎日大切に育てていると彼らの声が聞こえるという話を聞いたことがあるが、ゴーヤの声が響いてこない私はまだまだってことだろう。『それはもう』(2002)所収。(三宅やよい)
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