記念の集い。不参加の方々にも長年ご愛読のお礼を申し上げます。(哲




20110730句(前日までの二句を含む)

July 3072011

 われに鳴く四方の蝉なりしづかなり

                           長谷川素逝

けば鳴いたでやかましい蝉だが、今年のようになかなか鳴かないとなんとなく物足りない。家居の初蝉は今週火曜日、かすかな朝のミンミン蝉だったが、その前に出かけた古寺の境内で聞いたのが今年の初蝉。山裾にあるその寺の蝉の声は、蝉時雨、というほどではなく、空から降りそそいで寺全体を包んでいた。じっとその声を見上げていると、あらためて山寺の境内の広さと涼しさが感じられ、しばらくそこに佇んでいたが、掲出句はその時聞いた遠い蝉声を思い出させる。蝉の存在を親しく感じることで自分の心も自然にとけこんで穏やかになる、そんな印象の一句である。『新日本大歳時記 夏』(2000・講談社)所載。(今井肖子)




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