July 16 2011
子等の声単音となる日の盛
長嶺千晶
これを書いている今、まさに日の盛。午前中はマグリットぽい雲がたくさん浮かんでいたのだけれど、今は雲ひとつなく太陽が照りつけている。おそるおそるベランダに出てみたが人通りも風もわずか、自分のため息の音がするばかりだ。掲出句の、単音、という言葉、聞いたことがあるような無いような。辞書を引くと、「(略)連続的な音声を個々に区切られる諸部分に分解して得られる最小の単位。汗(あせ)は〔a〕〔s〕〔e〕の単音からなる。」(大辞林)とある。なるほど、校庭に公園に元気に響いている子供の声が、炎天下ふっと遠ざかってゆくような、とぎれとぎれになるような気がすることがある、あの感じか。歓声がぱらぱらのアルファベットになって溶けてしまいそうな暑さだ。『夏館』(2003)所収。(今井肖子)
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