June 04 2011
金魚の尾ふはふはと今日振り返る
櫻井搏道
ふはふはしているのは、金魚の尾なのか、それを見ている自分なのか、過ぎてしまった今日一日なのか。水面には、ため息のように泡がひとつまたひとつ。水中には金魚の赤い尾ひれが漂っている。ゆらゆら、ひらひら、でなく、ふはふは。その一語がどこにかかるのか、句がどこで切れているのか、そんなことを考えるより先に、なつかしい夏の夕暮れ時をなんとなく思い出させてくれる。なんとなくといえば、この句は『鳥獣虫魚歳時記』(2000・朝日新聞社)から引いたのだが、以前も同じように別の歳時記を見ていて、同じ作者の句を選び鑑賞させていただいたことがあった。なんとなく惹かれる作家なのだと思う。(今井肖子)
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