May 20 2011
南国の雷雨をもつて城かくす
佐野まもる
トリヴィアルな視点が俳句の特性のひとつであることや「詩は細部に宿る」ことにも異存はない。細部をきちんと見つめて描写している「写生句」というのもありそうでないものだ。しかし大きな景を構図の中で把握するのも難しいことであり、そこに挑戦してみるのも価値はある。見事な大きな景というのは往々にして露店で売る掛軸のようなベタな絵柄になる。この句、AをもってBをかくすという構文の中に見事に両者が配されている。平畑静塔『戦後秀句2』(1963・春秋社)所載。(今井 聖)
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