夏の増俳記念会スタッフ打ち合わせ。空席はあと10ほどに。(哲




20110430句(前日までの二句を含む)

April 3042011

 この国の未知には触れず春惜む

                           竹下陶子

知という言葉はその時の心持ち如何で、希望にあふれているようにも不安で一杯のようにも感じられる。今、この国の未知、と読むとどうしても後者の気分が勝ちそうだが、この句が詠まれたのは、昭和五十八年。日本海中部地震があった年だが、地震が起きたのは五月二十六日なので、春惜む、より後のこと。まあいつの世でも、安心立命の境地にはなかなか至ることができない。ただ、国の先行きを憂うというより、未知という言葉に可能性を残しながら、さらにそれにはあえて触れることなく、今は春を惜しんでいる作者。このいい季節が、来年もまた巡ってくるようにと、勢いを増す緑の中で願っているのだろう。『竹下陶子句集』(2011)所収。(今井肖子)




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