April 28 2011
鷺草の鉢にサギ子と札を立て
榎本 享
鷺草は花が鷺の飛ぶ姿に似ていることからこの名が付けられたという。写真で検索してみると、なるほどちっちゃな鷺が思い思いの方向へ羽根を広げて飛んでいるようで可愛らしい。鉢植えでもよく育つとあるから、花が咲いてくれますようにと願いをこめて札を立てているのだろう。「サギ子」と書くことで、鉢植えを子供のようにいとおしむ気持ちがユーモラスに表現されていて楽しい。当たり前になりがちな行為に言葉のスパイスを加えることでぽかっと風穴が開いたようだ。日々の営みに慣れ切ってしまうと感受性もついつい固くなる。単調になりがちな気分をほぐしつつふっと楽しくなる言葉や思いつきを俳句に詠む。読む側も思わず微笑んで気持ちが軽くなる。そんな明るい循環が俳句にはあるようだ。サギ子の鉢にたくさんの鷺が飛ぶといいですね。『抽斗』(2005)所収。(三宅やよい)
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