April 23 2011
春の風邪髪の微熱を梳る
淡海うたひ
今こうしてキーボードを叩いている指先がひんやりしている。寒暖の差が大きいというか麗らかな日が少ない今年、風邪なのか花粉症なのかわからないと言っている知人も多い。春の風邪は、冬から春へ季節の変わり目に詠まれることが多いが、いずれにしてもいつまでもすっきりしないものだ。子供の頃から、なんとなく熱が出そうと思うと、まずぼんのくぼあたりの髪をひっぱってみる。熱が出る前は、強くひっぱらなくても引きつったような変な痛みが走るのだ。頭から風邪を引く、ということか。髪の毛自体はもちろん微熱を帯びることはないはずだけれど、首から上がうっとおしく霞がかかったような風邪心地が、ゆっくりと梳る手の動きと共に滲み出ている一句である。『危険水位』(2010)所収。(今井肖子)
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